前回の記事では、夫婦のお金と自分のお金は分けて考えていい、というお話をしました。
では、実際にどうやって分けるのか。
今回はユウの考える、その具体的な方法をお伝えします。
前回の「夫婦のお金と自分のお金は分けて考えていい」の理論編はこちら

まず「3つの口座」という考え方を持つ
夫婦のお金の管理をシンプルにするには、概念として次の3つの口座があると考えるとわかりやすいです。
- 夫の口座(夫の個人のお金)
- 妻の口座(妻の個人のお金)
- 共有口座(家計・夫婦の貯蓄を管理するお金)

共有口座は、どちらかの名義で開設し、どちらかが主導で管理します。
大切なのは、名義をどちらにするかよりも、夫婦のどちらか一方だけが中身を把握している状態にしないこと。
家計のお金は、夫婦で一緒に使い、一緒に守っていくお金です。
そのため、残高や支出の流れは、できるだけ二人で見える状態にしておきましょう。
完全な割り勘じゃなくていい
「共有口座にお互いが入れるお金は、5:5が公平」と思いがちです。
でも夫婦の収入に差がある場合は、完全な割り勘にこだわらなくて大丈夫。
たとえば、収入の多い方が多めに出す。
収入比に合わせて、6:4や7:3で負担する。
または、固定費は夫、食費や日用品は妻、というように役割で分ける。
どの形が正解というよりも、夫婦が納得して続けられることが大切です。
無理なく続けられる形を話し合って決めていきましょう。
毎月の家計を見積もる
共有口座に入れる金額を決めるために、まず毎月の支出を整理しましょう。
固定費の例は、次のようなものです。
- 家賃・住宅ローン
- 光熱費(電気・ガス・水道)
- 通信費(スマホ・ネット)
- 保険料
- 食費
- 日用品
- 車関係の費用
- 子どもにかかる費用
これらを合計して、毎月の家計にかかる金額を把握します。
最初から細かく完璧に出す必要はありません。
まずは「毎月だいたいこれくらいかかる」という目安を作るだけでも十分。
実際に生活してみると、予算をオーバーする月もありますよね。
そのときは、どちらか一方だけが負担するのではなく、共有口座に追加入金するルールを決めておくと安心です。
夫婦の貯蓄額を決める
毎月の家計支出とは別に、夫婦で毎月いくら貯蓄するかも決めておきましょう。
この貯蓄は、共有口座の中で管理してもよいですが、生活費と混ざるとわかりにくくなることがあります。
おすすめは、目的別に分けて管理する方法です。
たとえば、
- 旅行費用
- 車の買い替え
- 教育費
- 住宅関連費
- 老後資金
- 冠婚葬祭や急な出費
このように目的ごとに分けておくと、何にいくら貯まっているかがわかりやすくなります。
この点で使いやすいのが、住信SBIネット銀行の「目的別口座」です。
1つの口座の中に「旅行費用」「車の買い替え」「教育費」など、目的ごとの仮想口座を作って管理できます。
銀行口座が増えすぎず、お金が混ざらないので、夫婦で見ても管理しやすく、貯蓄の目的も共有しやすくなります。
クレジットカードで支払いをまとめる
共有口座に紐づけたクレジットカードを作り、家計の支払いはそこにまとめると管理が楽になります。
たとえば、
- スーパーでの食費
- 日用品
- 光熱費
- 通信費
- 保険料
- ガソリン代
- サブスク代
このような支払いを1枚のカードにまとめると、家計簿アプリにも反映しやすくなります。
このとき、家族カードが作れるクレジットカードにするとさらに便利です。
夫婦それぞれがカードを持ちながら、引き落としは同じ口座から行うことができます。
ただし、家族カードは必ず必要というわけではありません。
どちらか一方のカードで支払い、あとで家計簿アプリで確認する形でも十分機能します。
大切なのは、支払いの流れをシンプルにすることです。
必要に応じて代理人キャッシュカードも検討する
共有口座をどちらか一方の名義で作る場合、もう一方がATMでお金を引き出せないと不便に感じることがあります。
たとえば、夫名義の口座を共有口座として使っている場合、妻が現金を引き出したいときに、夫のキャッシュカードを借りる必要が出てくるかもしれません。
しかし、キャッシュカードや暗証番号を夫婦で共有することは、銀行のルール上も安全面でもおすすめできません。
その場合に検討したいのが、代理人キャッシュカードや追加キャッシュカードです。
銀行によっては、口座名義人とは別に、配偶者や家族がATMで使えるキャッシュカードを発行できる場合があります。
たとえば、夫名義の共有口座に対して、妻が使えるキャッシュカードを追加で発行するようなイメージです。
これがあると、生活費の現金引き出しや急な支払いにも対応しやすくなります。
ただし、すべての銀行で作れるわけではありません。
対応していない銀行もあり、作れる場合でも「同一生計の親族」「配偶者」「親・子ども」など、条件が決まっていることが多いです。
また、代理人キャッシュカードを持てるからといって、口座名義そのものが共有になるわけではありません。
口座の名義は、あくまで本人名義です。
そのため、使い方や引き出す金額については、夫婦でルールを決めておきましょう。
共有口座に使いやすい銀行を比較する
共有口座として使う銀行を選ぶときは、金利だけでなく、日常の使いやすさも確認しておきましょう。
特に見ておきたいのは、次のような項目です。
- ATM手数料
- 振込手数料
- 自動入金サービス
- 自動送金サービス
- 代理人キャッシュカードの有無
- デビットカードの使いやすさ
夫婦それぞれの給与口座から、毎月決まった金額を共有口座に移す場合、自動入金サービスがあると便利です。
また、家賃や仕送りなど、毎月決まった金額を振り込む必要がある場合は、自動送金サービスがあると手間が減ります。
銀行によって、便利な機能や家族で使うための仕組みは少しずつ違います。
ここでは、共有口座として使うときに確認したいポイントをまとめました。
| 比較項目 | 住信SBIネット銀行 | ソニー銀行 | イオン銀行 | 三井住友銀行 Olive | 三菱UFJ銀行 |
| ATM利用手数料 | 条件により無料回数あり(条件により最大20回無料) | 入金:0円 出金:月4回無料 | イオン銀行ATMは無料。提携ATMは条件により無料回数あり | 条件により無料回数あり | 条件により無料回数あり |
| 振込手数料 | 条件により最大20回無料 | 条件により最大11回無料 | 条件により無料回数あり | 条件により最大3回無料 | 条件により無料回数あり |
| 自動入金サービス | ○ 定額自動入金あり | ○ おまかせ入金あり | ○ 自動入金サービスあり | ○ 定額自動入金あり | × 他行からの自動入金はできない |
| 自動送金・自動振込 | ○ 定額自動振込あり | ○ おまかせ振込あり | ○ 定額自動振込あり | ○ 定額自動送金あり | ○ 定額自動送金あり |
| 代理人カード・追加キャッシュカード | × 家族カード・代理人カードなし | ◎ ファミリーキャッシュカードあり | ○ 代理人カードあり | ○ 代理人キャッシュカードあり | ○ 代理人カードあり |
| デビットカード | ○ デビットカードあり | ◎ ファミリーデビットカードあり | ○ デビットカードあり | ○ Oliveデビットモードあり | ○ 三菱UFJデビットあり |
| 特徴 | 目的別口座が便利。夫婦の貯蓄を目的ごとに分けたい家庭向き | 家族で使えるカード機能が充実。共有口座として使いやすい | イオン銀行ATMを使いやすい人、イオン系サービスをよく使う家庭向き | メガバンクの安心感とOliveのキャッシュレス機能を使いたい家庭向き | メガバンクで代理人カードを作りたい場合の候補。店舗で相談しやすい |
住信SBIネット銀行の目的別口座
目的別に貯蓄を分けて管理したいなら、住信SBIネット銀行の目的別口座がとても便利です。
ただし、住信SBIネット銀行は代理人キャッシュカードに対応していないため、夫婦それぞれがATMを使いたい場合には向いていません。
ソニー銀行のファミリーキャッシュカードとファミリーデビットカード
代理人キャッシュカードや家族用カードを重視するなら、ソニー銀行が特におすすめです。
ファミリーキャッシュカードとファミリーデビットカードの両方に対応しており、夫婦で使う共有口座として使いやすい設計になっています。
2つの銀行を組み合わせる
たとえば、
- 住信SBIネット銀行を貯蓄専用
(目的別口座で積み立て) - ソニー銀行を生活費の共有口座
(代理人カードで夫婦が使える)
を組み合わせて使い分けると、それぞれの強みを活かせます。
どの銀行が一番よいかは、家庭によって違います。
- 現金をよく使う家庭
- キャッシュレス決済が中心の家庭
- 夫婦それぞれの給与口座が別々の銀行にある家庭
- 目的別に貯蓄を分けたい家庭
- 家族カードや代理人カードを使いたい家庭
このように、重視するポイントによって選ぶ銀行は変わります。
共有口座は、「どこの銀行が一番お得か」だけでなく、夫婦で無理なく続けられるかで選ぶことが大切です。
将来の資産づくりとの相性で選ぶ
共有口座に使う銀行を選ぶときは、今の家計管理のしやすさだけでなく、将来の資産づくりとの相性も見ておくと便利です。
たとえば、住信SBIネット銀行を使うならSBI証券、三井住友銀行OliveもSBI証券との連携が可能です。
三菱UFJ銀行を使うなら三菱UFJ eスマート証券との連携も候補になります。
どちらの証券会社も手数料の面でかなり優秀です。
証券会社の選び方については、また別の記事でくわしくお伝えします。
家計簿アプリで「見える化」する
共有口座は、家計簿アプリと連携させることもおすすめします。
マネーフォワードMEなどを使えば、口座の残高や入出金、クレジットカードの利用明細が自動で記録されます。
夫婦どちらもアプリを見られる状態にしておくと、
- 今月いくら使ったか
- 共有口座にいくら残っているか
- 貯蓄がどこまで増えたか
- クレジットカードの引き落とし予定はいくらか
を確認しやすくなります。
家計を「どちらか一方が管理するもの」にしてしまうと、管理している側に負担が偏りやすくなります。
一方で、夫婦で同じ情報を見られるようにしておくと、家計を二人で共同運営している感覚が生まれます。
お金の話がしやすい夫婦関係にもつながるので、共有口座と家計簿アプリはセットで使うのがおすすめです。
自分名義のお金は残す
共有口座に入れたあと、それぞれの口座に残るお金が、自分名義のお金です。
- 自分の服を買うため
- 友人と食事に行くため
- 美容院に行くため
- 学び直しをするため
- 将来の安心を作るため
自分で考え、自分で選ぶためのお金です。
金額が少なくても、自分名義のお金があることは、人生の選択肢を守ることにつながります。
前回の記事でお伝えしたように、夫婦のお金と自分のお金は分けて考えていいのです。
- 共有口座に入れるお金は、夫婦の暮らしを支えるお金。
- 自分名義のお金は、自分の人生を支えるお金。
どちらも大切です。
余裕が出てきたら、その一部をNISAやiDeCoで
運用することも視野に入れてみてください。
ただし、最初から無理に投資を始める必要はありません。
まずは、自分名義のお金を少しずつ残すことから始めていきましょう。
まとめ
夫婦のお金を管理するときは、すべてを一緒にする必要はありません。
むしろ、
- 夫の口座
- 妻の口座
- 共有口座
この3つに分けて考えることで、家計はシンプルになります。
- 共有口座には、毎月の生活費と夫婦の貯蓄分を入れる。
- 支払いはクレジットカードやデビットカードでまとめる。
- 必要に応じて、代理人キャッシュカードや家族カードも検討する。
- 家計簿アプリで見える化する。
この仕組みを作っておくと、夫婦のお金の流れがわかりやすくなります。
そして大切なのは、共有口座に入れたあとの残りを、自分名義のお金として持つことです。
自分名義のお金を持つことは、夫への不信でも、わがままでもありません。
どんな人生になっても、自分で選べる力を持っていたい。
そのための、人生の備えです。
夫婦で支え合いながらも、自分の人生も大切にする。
そのために、まずは「3つの口座」でお金の流れを整えてみてください。

