固定費の見直し方|無駄は省いて、大切なものにはきちんと払う

「家計を見直したい」そう思ったとき、最初に考えやすいのが固定費です。

携帯電話料金、インターネット、保険、サブスク、クレジットカードの年会費など、一度契約すると毎月・毎年、自動的に支払いが続くものがあります。

でも私は、固定費の見直しを、「とにかく支出を減らすこと」だとは思っていません。
大切なのは、無駄なお金は省く。
でも、自分にとって必要なもの、大切なものにはきちんと払うこと。

固定費の見直しは「安い家計」を作ることではなく、自分が納得してお金を払っている家計に整えることだと思っています。

目次

固定費の見直しは「節約」より「棚卸し」

固定費は、一度契約すると見直す機会が少ないものです。
契約したときには必要だったものでも、数年たてば暮らしは変わります。

子どもが独立した。
働き方が変わった。
スマホの使い方が変わった。
以前ほど使わなくなったサービスがある。
それなのに、契約だけが昔のまま残っていることがあります。

だから固定費を見直すとき、私はまず「もっと安くできないか?」ではなく、「私は今もこれを必要としているか?」と考えるのがいいと思っています。

まずはクレジットカードの明細や銀行口座の履歴を見て、毎月・毎年どんな支払いがあるか確認してみましょう。
たとえば、

  • 携帯電話
  • 自宅のインターネット
  • 動画・音楽などのサブスク
  • 保険
  • クレジットカードの年会費
  • アプリやクラウドサービス
  • 定期購読
  • ジムやコミュニティの月会費

などです。
「こんなものにも払っていたんだ」と気づくだけでも、見直しの第一歩になります。

通信費|「安いプラン」より、今の使い方に合っているか

通信費は、見直しやすい固定費の一つです。
ただ、格安SIMにすれば必ず正解というわけではありません。

  • スマホをどのくらい使うのか。
  • 通話は多いのか。
  • 店舗で相談できる方が安心なのか。
  • 家族割やインターネットとのセット割を利用しているのか。

人によって必要なサービスは違います。

私が高齢の母のスマホ料金を確認したときも、実際のデータ使用量と契約しているプランが合っていないことに気づきました。
母はそれほどギガを使わないのに、契約は以前の使い方のままだったのです。

大切なのは「安い会社へ変えること」ではなく、「今の使い方に合った契約にすること」。
何年も同じプランを使っているなら、一度利用状況を確認してみる価値があります。

自宅のインターネットも同じです。
仕事や動画視聴で安定した通信環境が必要なら、そこは無理に削る必要はありません。

反対に、ほとんど使っていないオプションが付いたままなら、そこは見直せます。
必要なサービスには払う。使っていないものには払わない。

基本はそれだけだと思います。

サブスク|月額課金だから削る、ではない

固定費の見直しでよく挙げられるのが、サブスクです。

たしかに、サブスクは少額のものが多く、数が増えると毎月の支出も大きくなります。
でも私は「サブスク=削減対象」とは考えていません。

  • 映画が好きでNetflixをよく見る。
  • 音楽が好きでApple MusicやSpotifyを毎日使う。
  • YouTubeを見る時間が長く、有料サービスに価値を感じている。
  • 毎月届く雑誌を楽しみにしている。
  • 好きなコミュニティに参加して、人とのつながりを楽しんでいる。

そうしたものまで「節約のため」と全部やめてしまったら、暮らしは少し味気なくなってしまいます。
見直したいのは、

  • 契約していること自体を忘れていた
  • 何か月も使っていない
  • 同じようなサービスを複数契約している
  • 無料期間後、そのまま課金され続けている
  • 今の自分にはもう必要がない

といったものです。
判断基準はシンプルです。
「今も、この支出から価値を受け取っているか?」

使っているなら残す。
使っていないならやめる。
それでいいと思います。

仕事・学び・健康のためのお金も、無理に削らなくていい

毎月お金を払うサービスの中には、単なる「楽しみ」だけではないものもあります。
たとえば、

  • 仕事の効率を上げるクラウドサービスやアプリ。
  • 作業時間が短くなるなら、そこにお金を払うことで時間を買っているとも考えられます。
  • 電子書籍や新聞、有料記事など、自分の知識を増やすための支出もあります。
  • 資格取得や仕事につながる学びなら、自己投資になることもあります。
  • 健康のためにジムへ通い、それによって運動を続けられているなら、その月会費にも意味があります。

金額だけを見れば「削れる固定費」かもしれません。
でも、自分の仕事、学び、健康、楽しみにつながっているなら、それは残していいお金です。

固定費を見直す目的は、お金を使わない人になることではありません。
自分が大切にしたいことへ、きちんとお金を使えるようにすること。

私はそちらの方が大切だと思っています。

保険は「固定費だから削る」ものではない

保険料も毎月支払う固定費ですが、私は単純な節約対象とは考えていません。
必要な保障は、年齢や家族構成によって変わります。

私の場合、子どもが小さい頃は、もし家計を主に支えていた夫に何かあったときにも、子どもの教育費を確保できるよう死亡保障を厚くしていました。

でも子どもが独立すれば、その大きな保障を持つ必要性は以前より小さくなります。
そこで保障を最低限へ見直しました。
これは「保険料を節約したかったから」ではなく、「保障の役割が変わったから」です。

逆に、今も必要な保障なら、固定費だからという理由だけで削る必要はありません。
保険を見直すときに大切なのは「もっと安くできないか」ではなく、「今の自分に、この保障は必要か」だと思っています。

ほかにも「契約したまま」のお金を確認する

通信費、サブスク、保険以外にも、長く契約したままになっているものがあります。

たとえば、クレジットカードの年会費。
ほとんど使わないカードに毎年年会費を払っているなら、見直す余地があります。

銀行のATM・振込手数料。
少額でも毎月何度も支払えば、年間ではそれなりの金額になります。

自宅のインターネットや各種オプション。
契約時に付けたまま使っていないサービスが残っていることもあります。

電気・ガスなども、料金だけでなく今の契約内容が暮らしに合っているか確認してみてもよいでしょう。
ここでも考え方は同じです。

安いものを探し続けるのではなく、「使っていないのに払い続けているものがないか」を探す。
それだけでも十分です。

削ってはいけないお金もある

家計を見直し始めると、「これも削れる」「あれも安くできる」と、どんどん支出を減らしたくなることがあります。

でも、何でも削ればいいわけではありません。
たとえば、

  • 健康を守るためのお金
  • 安全のためのお金
  • 仕事に必要な環境
  • 自分の学びにつながるお金
  • 趣味や楽しみのためのお金
  • 家族や友人との時間に使うお金

こうしたものは、単純に「無駄」とは言えません。

むしろ私は、無駄なところを減らすからこそ「ここには使いたい」と思うものに、気持ちよくお金を使える家計にしたいと思っています。

浮いたお金は、全部投資しなくてもいい

固定費を見直して、毎月5,000円や1万円の余裕が生まれたとします。
そのお金を必ずNISAなど投資に回さなければならないわけではありません。

生活防衛資金がまだ十分でなければ、まず現金を貯めてもいい。
近いうちに必要になるお金として置いておいてもいい。
老後資金のために投資してもいい。
旅行や趣味のために積み立ててもいい。

これまで何となく出ていっていたお金を、自分がこれから大切にしたいことへ移す。
それができれば十分だと思います。

私自身、お金は「貯める・増やす」だけでなく、どう使うかも大切だと考えるようになりました。
だから、固定費を減らした分まで全部将来のために我慢する必要はありません。

今の暮らしと未来の暮らし、その両方に使えばいいと思います。

まずは一つだけ「これは今も必要?」と考えてみる

固定費を全部一度に見直そうとすると、面倒になります。
最初は一つで十分です。

  • スマホの料金明細を見る。
  • クレジットカードの引き落としを1か月分見る。
  • サブスク一覧を確認する。
  • 使っていないカードがないか見る。
  • 保険証券を出して、今の保障内容を確認する。

そして一つずつ、

「私は今も、これにお金を払いたいと思っている?」

と考えてみる。
「はい」と思えるなら、そのままでいい。
「そういえば、もう使っていないな」と思ったら、そこで初めて見直せばいいのです。

まとめ|固定費を整えることは、お金の使い道を選び直すこと

固定費の見直しは、支出をできるだけ小さくすることではありません。

  • 使っていないものへの支払いをやめる。
  • 必要なものには払う。
  • 好きなものにも払う。
  • 仕事や学び、健康のために役立っているものにも払う。
  • そして、そこで生まれた余裕を、これから大切にしたいことへ回す。

無駄は省く。でも、払うべきところにはきちんと払う。
私は、そんな家計の整え方がいいと思っています。

月5,000円の固定費を見直せば、1年で6万円。
月1万円なら、1年で12万円です。

そのお金を何に使うかは、人それぞれです。
将来のために残してもいいし、今の暮らしを豊かにするために使ってもいい。

固定費を見直すことは、「昔の自分が決めたお金の使い道を、今の自分がもう一度選び直すこと」なのかもしれません。

今の暮らしを大切にしながら、これからの自分にも少し余裕を残す。
それが、私の考える「固定費を整える」ということです。

この記事を書いた人

「ひとりだちノート」運営|元銀行員。
 
家計・資産づくり、親の見守りや暮らしのサポートを実体験から発信。
自分と親の「これから」を少し安心にするヒントをお届けします。

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