生活防衛資金はいくら必要?50代の私が「生活費1年半分」を確保している理由

「生活防衛資金って、いくらあればいいの?」
投資や資産づくりを始めようとすると、一度は気になることではないでしょうか。

「生活費の3か月分?」「半年分?」「1年分あれば安心」いろいろな目安を目にしますが、
私はすべての人に当てはまる正解はないと思っています。

私自身は現在、家賃を含めた生活費の約1年半分を生活防衛資金として確保しています。
ただし「1年半分が必要ですよ」とおすすめしたいわけではありません。

私がこの金額にしているのは、今の働き方や住まい、毎月必要なお金、そして「もし収入が減ったら、どれくらいの期間なら落ち着いて次を考えられるか」を考えた結果です。

この記事では、

  • そもそも生活防衛資金とは何か
  • 私がなぜ生活費1年半分を確保しているのか
  • 自分の場合はいくら必要なのか、どう考えればいいのか
  • 生活防衛資金をどこに置いているのか

を、私自身のお金の管理方法も交えながらお伝えします。

目次

生活防衛資金とは「予定外のことが起きたときに暮らしを守るお金」

安心資産

私が考える生活防衛資金は、収入が減ったり、予定外のことが起きたりしたときにも、普段の暮らしを続けるためのお金です。

たとえば、

  • 病気やケガで仕事を休むことになった
  • 収入が大きく減った
  • 仕事を辞めることになった
  • 家族の事情で働き方を変えることになった

といったことは、いつ起こるかわかりません。
そんなとき、すぐに生活が立ち行かなくならないように置いておくお金が、私にとっての生活防衛資金です。

これは、旅行や車の買い替えなど「使う予定があるお金」とも違います。
そして、投資して増やすためのお金でもありません。

金融庁の金融教育資料でも、投資に使う資金については、生活資金とは別の余裕資金で行うという考え方が示されています。

私も、暮らしを守るお金と、値動きを受け入れて育てるお金は混ぜないことを大切にしています。

生活防衛資金に「全員○か月分」という正解はないと思う

生活防衛資金について調べると「生活費の○か月分」という目安をよく見かけます。

実際、金融庁が過去に公開した座談会でも、働きながらの場合と独立する場合では必要な生活防衛資金が違うという意見が紹介されており、収入と支出のバランスから考えることが大切だとされています。

私も、ここが大切だと思います。
たとえば同じ月20万円で暮らしている人でも、会社員で毎月安定した収入がある人と、自営業で月によって収入が変わる人では、安心できる金額は違います。

ひとり暮らしなのか、夫婦でそれぞれ収入があるのか。
家賃が必要なのか。
近くに頼れる家族がいるのか。
毎月の固定費が大きいのか、小さいのか。

状況は人それぞれです。

だから私は「一般的に何か月分必要か」ではなく、「自分なら何か月あれば落ち着いて次の行動を考えられるか」から逆算する方が、自分に合った生活防衛資金を決めやすいと思っています。

私は家賃を含めた生活費の1年半分を確保しています

私自身は、現在、家賃を含めた生活費の約1年半分を生活防衛資金として確保しています。

なぜ1年半なのか。一番大きいのは、もし収入が止まったとしても、すぐに焦って何かを決めなくてよい状態にしておきたいからです。

家賃は、収入が減っても毎月必要です。
食費や光熱費、通信費などもゼロにはできません。
収入がなくなったからといって、暮らしに必要なお金まで突然なくなるわけではありません。

そんなとき「あと数か月しか生活できない」と思う状態と、「しばらくは生活できる。その間に次のことを考えよう」と思える状態では、自分の気持ちも選択肢もかなり違うと思っています。

私にとって、その安心感を持てる金額が今は生活費約1年半分です。
もちろん、これから生活費や働き方、住まいが変われば、この金額も見直すつもりです。

まずは「最低限必要な1か月の生活費」を確認する

では、自分の場合はいくら必要なのでしょうか。

最初にやってみたいのは、最低限暮らすために1か月いくら必要なのかを把握することです。
普段の支出をすべてそのまま使う必要はありません。
もし収入が減ったときでも必要になるものを考えます。たとえば、

  • 家賃・住宅ローン
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 保険料
  • 車に必要なお金
  • 医療費
  • その他、毎月必ず必要になる固定費

などです。

仮に、最低限必要な生活費が月20万円だったとします。
半年分なら120万円。
1年分なら240万円。
1年半分なら360万円です。

こうして金額にすると「自分はどのくらいあれば安心できそうか」を考えやすくなります。

必要額を考えるときに確認したい5つのこと

生活防衛資金を決めるとき、私は生活費だけではなく、次のようなことも一緒に考えた方がいいと思っています。

1.収入はどのくらい安定しているか

毎月一定の給与がある人と、月によって収入が変わる人では、必要だと感じる現金の量も違います。

収入が不安定であれば、少し厚めに持つことで安心につながるかもしれません。

2.収入が止まったとき、他に収入源があるか

夫婦それぞれに収入があるのか、ひとつの収入だけで暮らしているのかでも状況は違います。

ただし、夫婦に貯蓄があるから自分では何も把握しなくていい、とは私は考えていません。

私は、自分名義のお金についても、自分でどこにいくらあるのかわかる状態にしておくことを大切にしています。

3.毎月必ず出ていくお金はいくらか

家賃や住宅ローンなど、大きな固定費がある場合は、その支払いが続くことも考えておきます。

生活防衛資金を考えるときは、単に「貯金がいくらあるか」ではなく、毎月いくら出ていくのかを見ることも大切です。

4.これから働き方や暮らしが変わる可能性はあるか

40代・50代になると、これまでとは違った生活の変化も考えるようになります。

親の介護、転職、退職、働き方の変更、離婚、ひとり暮らしへの移行、住み替えなどです。

もちろん、すべてに備えることはできません。
それでも「もし今の収入や暮らしが変わったら」と一度考えておくと、自分に必要な現金の量も見えやすくなります。

5.自分はどのくらいあれば安心できるか

最後は、数字だけでは決められない部分です。
半年分あれば十分と思える人もいれば、1年分ないと不安な人もいるでしょう。

私は1年半分を持つことで安心できます。
生活防衛資金は、利回りを最大化するためのお金ではありません。

だから私は、効率だけではなく「この金額があれば、何か起きても慌てずに考えられる」と思えることも大切にしています。

生活防衛資金は「投資できるお金」とは分けています

私のお金の管理方法については、前の記事でも詳しく書きましたが、現在は大きく4つに分けています。

  1. 毎月の生活費
  2. 生活防衛資金
  3. 予備費
  4. 投資資金

この4つは混ぜていません。

毎月使う生活費とは別に生活防衛資金を確保し、さらに今すぐ使う予定はないものの現金で持っておきたい「予備費」も別にしています。
そして、それらを確保したうえで、しばらく使わないお金を投資資金としています。

私は「いくら投資できるか」を先に考えるのではなく、「いくら残しておけば安心して暮らせるか」を先に考えるようにしています。

私は生活防衛資金を目的別口座で管理しています

生活防衛資金は、必要なときに使える状態にしておく必要があります。

私の場合は、普段使っている銀行の中に「生活防衛資金」という目的別口座を作って管理しています。
生活費と同じ銀行ですが、置き場所を分けています。

これには理由があります。
普通預金の残高として全部一緒に見えていると、「このお金は使ってよいのか」がわかりにくくなるからです。

目的別に分けておけば、「ここは普段は使わない。何かあったときに暮らしを守るためのお金」と一目でわかります。

生活防衛資金を分けるために、必ず銀行をいくつも開設する必要はないと思っています。
私のように、同じ銀行でも目的別に分けられる仕組みがあれば、それを利用する方法もあります。

なお、預金保険制度の対象となる利息のつく普通預金や定期預金などは、1金融機関につき預金者1人当たり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。
預金額が大きくなった場合には、この点も知っておきたいところです。

予備費と生活防衛資金も、私は分けています

「生活防衛資金があれば、予備費は必要ないのでは?」と思うかもしれません。

私は、この2つも分けています。
生活防衛資金は、収入が減ったり、暮らしそのものを守る必要が出てきたりしたときのためのお金。

一方、予備費は、今のところ使う予定は決まっていないけれど、投資には回さず現金として持っておきたいお金という位置づけです。

現在、数年以内に使う予定の大きなお金は特にありません。
そのため予備費は、半年〜1年程度の短期の定期預金に入れています。

満期になったときに使う予定がなければ、また短期の定期預金に入れ直しています。
こうしておくことで、生活防衛資金をちょっとした予定外の出費のたびに取り崩さずに済みます。

私にとって生活防衛資金は、本当に必要なときのために残しておきたいお金です。

生活防衛資金を貯めながら投資するべき?

これは「全員こうした方がいい」と言えるものではないと思います。

すでにどれくらい現金を持っているのか。
収入が安定しているか。
毎月どれくらい余裕があるのか。
家族構成や今後の予定はどうか。

それによって判断は変わります。
私が優先したいと思うのは、生活に必要なお金まで投資に回さないことです。

投資商品には値動きがあり、必要になったときに元本を下回っている可能性があります。
金融庁も、株式や投資信託などには元本割れのおそれがあることを説明しています。

だからこそ、「守るためのお金」と「育てるためのお金」を先に分ける。
そのうえで、自分の状況に応じて投資を考える。

この順番が、私は安心して資産づくりを続けるためにも大切だと思っています。

生活が変われば、必要な金額も変えていい

生活防衛資金は、一度決めたら一生同じ金額でよいものではありません。

たとえば、

  • 転職した
  • 収入が変わった
  • 仕事を辞めた
  • 住まいが変わった
  • 家族構成が変わった
  • 毎月の生活費が増えた・減った

などがあれば、必要な金額も変わります。
私自身も、今は生活費約1年半分を基準にしていますが、今後の暮らしが変われば見直します。

「生活防衛資金は○万円」と決めて終わりではなく、今の暮らしに合っているか、ときどき確認するくらいでよいと思います。

まとめ|大切なのは「何か月分」より、自分なりの根拠を持つこと

生活防衛資金について「結局、何か月分あればいいの?」と思うかもしれません。
でも私は、一つの数字に正解を求める必要はないと思っています。

私の場合は、家賃を含めた生活費の約1年半分。
それが今の私にとって、収入が変わっても慌てずに暮らし、次のことを考える時間を持てる金額です。
大切なのは、

  • 最低限必要な毎月の生活費を知る
  • 収入の安定性を考える
  • 固定費や家族の状況を確認する
  • これから起こりそうな暮らしの変化を考える
  • 自分が安心できる期間を考える

こと。そして、そのお金を投資資金とは混ぜずに置いておくことです。

生活防衛資金は、増やすためのお金ではありません。
何かあったときにも、自分で次の選択をするための時間を買っておくお金。
私はそんなふうに考えています。

まずは自分の1か月の生活費を確認するところから、始めてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

「ひとりだちノート」運営|元銀行員。
 
家計・資産づくり、親の見守りや暮らしのサポートを実体験から発信。
自分と親の「これから」を少し安心にするヒントをお届けします。

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