配当金が入ると、「自分で育てた資産から、少しずつ収入が生まれている」と実感できます。
私はそこに魅力を感じ、高配当・増配株への投資を続けています。
でも、高配当株投資は「配当利回りが高い株を探して買えばいい」というほど簡単ではありません。
利回りが高く見える背景には、株価の下落があることもあります。
その原因が業績悪化や不祥事、事業環境の変化なら、将来は減配になるかもしれません。
だから私は、単純に配当利回りの高さだけで銘柄を選びません。
大切にしているのは、この会社はこれからも利益を生み、配当を維持し、できれば増やしていける会社なのかということです。
この記事では、私が実際に高配当・増配株を探すときに見ていることと、買うまで、そして買った後にしていることをお話しします。
高配当・増配株をポートフォリオに取り入れている理由については、こちらの記事で書いています。

この記事は特定の銘柄や金融商品をおすすめするものではありません。株式やETFには価格変動、元本割れ、減配・無配などのリスクがあります。
高配当株は「利回りが高いから」では選ばない
高配当株を探すとき、配当利回りは分かりやすい数字です。
私もスクリーニングするときには確認します。
でも、配当利回りはあくまで入口です。
たとえば同じ100円の配当でも、株価が2,500円なら利回りは4%、2,000円まで下がれば5%になります。
配当が増えたわけではなくても、株価が下がれば利回りは高くなります。
そのため「なぜ今、この利回りになっているのか」を見ることが大切です。
一時的な株価下落なのか。
業績が悪くなっているのか。
今後の事業に不安があるのか。
私は「高利回りだから買う」のではなく、まずその背景を調べます。
私が一番重視するのは「配当を続けられる会社か」
私が高配当・増配株で重視しているのは、現在の配当額だけではありません。
これからも配当を出し続けられるだけの稼ぐ力があるか。そしてもう一つ、
会社に配当を維持・増やしていこうという姿勢があるか。ここを見ています。
業績が少し悪くなっただけですぐ減配する会社もあれば、厳しい時期でもできる限り配当を維持しようとする会社もあります。
もちろん、減配したことがあるから悪い会社とは限りません。
景気や事業環境によって、減配せざるを得ないこともあります。
私が見るのは、
- なぜ減配したのか
- その後、業績はどうなったのか
- 配当は回復したのか
- 長期的には増配傾向にあるのか
- 会社は株主還元をどう考えているのか
というところです。
過去の配当履歴を見ると、その会社の株主還元に対する姿勢も少し見えてきます。
私が候補企業を見る4つの視点
私はスクリーニングするときに複数の数字を見ています。
ただし「PERは○倍以下なら合格」「自己資本比率は○%以上なら買う」というように、一つの基準へ機械的に当てはめているわけではありません。
業種によって適切な水準は違いますし、すべての条件がきれいにそろう会社は、実際にはほとんどありません。
大きく分けると、私は次の4つの視点で見ています。
1.配当を維持・増やせそうか
ここでは、
- 配当利回り
- 過去の配当推移
- 増配・減配履歴
- 配当性向
- 会社の配当方針
などを確認します。
特に配当性向が高い状態が続いている場合は、利益に対して無理な配当になっていないかを見ます。
今たくさん配当を出していても、それを続けられなければ長期保有には向きません。
2.会社に稼ぐ力があるか
配当を続けるには、その元になる利益を生み続ける必要があります。
そこで、
- 売上高
- 利益
- EPS(1株あたり利益)
- 営業キャッシュフロー
などの推移を確認します。
私は特に、EPSが長期的に伸びているかをよく見ます。
利益が増え続ける会社であれば、将来の増配余地も考えやすくなるからです。
営業キャッシュフローも、本業から継続して現金を生み出せているかを見るために確認します。
3.財務に無理がないか
業績が良いときだけではなく、厳しい時期にも耐えられそうかを考えます。
自己資本比率や現金の推移、借入の状況などもそのために見ています。
ROEなど収益性を示す指標を見ることもありますが、一つの数字だけで判断することはありません。
同じ業種の会社や、その会社自身の過去と比べながら見ています。
4.良い会社でも「今買いたい価格か」
ここはとても大切だと思っています。
良い会社を見つけることと、その会社を今買うことは別です。
PERやPBR、過去の株価水準、配当利回りなどを見ながら、「この価格なら買いたい」と思えるかを考えます。
どれだけ良い会社でも、株価が大きく上がったところで無理に買う必要はないと思っています。
チェックリストは「合否判定」ではなく、会社を整理するため
私は気になる会社をスプレッドシートなどにまとめて比較しています。
| 見る項目 | 私が確認していること |
|---|---|
| 配当利回り | 高利回りになっている理由は何か |
| 配当履歴 | 長期的に維持・増配しているか |
| 減配履歴 | 減配の理由とその後の回復 |
| 配当性向 | 利益に対して無理をしていないか |
| 売上・利益 | 長期的に安定・成長しているか |
| EPS | 1株あたり利益が伸びているか |
| 営業CF | 本業から現金を生み出せているか |
| 自己資本比率など | 財務に無理がないか |
| PER・PBR | 現在の株価水準を見る参考 |
| IR・決算資料 | 事業の方向性や株主還元方針 |
| ポートフォリオ | 同じ業種などに偏りすぎないか |
ただし、これを全部満たしたら買う、という表ではありません。
むしろ、すべてが理想的な会社はなかなかありません。
この表は、その会社の「ここは良い」「ここは少し気になる」を整理するために使っています。
そしてスクリーニングで条件に合った会社が出てきても、それは「買う銘柄」ではなく、これから詳しく調べる候補だと考えています。
スクリーニングを通過しても、すぐには買わない
私は、銘柄スカウターなどのツールも使っています。
たくさんの会社の中から候補を絞るには便利です。
でも、ツールで条件に合ったからといって、そのまま買うことはありません。
- 事業内容を見る。
- 過去の業績を見る。
- 決算資料やIRを見る。
- 配当履歴を見る。
- ポートフォリオの中で特定の業種に偏らないかも考える。
そして最後に「この会社を、この価格で買いたいか」を考えます。
その結果、良い会社だと思っても買わないことがあります。
欲しい価格になるまで、かなり長く待つこともあります。
高配当・増配株投資を続けていて感じるのは、待つことも投資の一部だということです。
「何か買わなくては」と焦って買う必要はありません。
買わないことも、一つの判断だと思っています。
高配当・増配株投資は買って終わりではない
個別株投資で、もう一つ手間がかかるのが購入後です。
配当金は何もしなくても口座に入ってくるので、一見すると「ほったらかし」のようにも見えます。
でも、その配当金を生み出しているのは企業です。
私は買った後も、
- 業績が大きく悪化していないか
- 利益は維持できているか
- 配当性向が無理な水準になっていないか
- 減配していないか
- 配当方針が変わっていないか
- 事業環境に大きな変化がないか
などを確認しています。
よほどのことがなければ長く保有するつもりで買っていますが、長期保有することと、何も見ないことは違うと思っています。
個別株を調べ続けるのが合わない人もいる
ここまで読むと、「高配当株投資って、ずいぶん手間がかかるな」と思う人もいるかもしれません。
私は実際、個別の高配当・増配株投資は思っていた以上に手間がかかる投資だと感じています。
- 探す
- 調べる
- 待つ
- 買う
- その後も見る
私自身は企業を調べたり、数字を見たりすることが嫌いではありません。
でも、それを誰にでもすすめたいとは思っていません。
- 投資にあまり時間を使いたくない人。
- スクリーニングすることに興味がない人。
- 決算や企業の状況を追い続けることが負担になる人。
そういう人に個別高配当株が合わないとしても、それは投資に向いていないという意味ではありません。
単に投資方法の向き不向きだと思っています。
インデックス投資を中心にする方法もあります。
また、個別株を一社ずつ選ぶ代わりに、複数の高配当株へまとめて投資するETFを使う方法もあります。
私自身も、日本株ETFの1489(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信)、米国株ETFではVYMを保有しています。
1489は、日経平均株価の構成銘柄のうち、原則として予想配当利回りの高い50銘柄に分散投資するETFです。
ただし、ETFなら「いつ買ってもいい」とも思っていません。
私が1489を買った頃は分配金利回りが4%前後ありましたが、その後株価が上昇し、現在は当時より利回りが低くなっているため、私は今のところ買い増さず保有したままです。
米国ETFにもVYM、HDV、SPYDなどがありますが、米国ETFでは為替や税金など、日本株とは別に考えることもあります。
そのため、この記事ではETFの比較には踏み込みません。
大切なのは、「個別株を選ばなければ高配当投資ができないわけではない」ということです。
自分が時間をかけられるか、何を面白いと思うかによって、選ぶ方法が違っていいと思っています。
まとめ|数字だけでなく、会社を長く見る投資
私が高配当・増配株を選ぶとき、配当利回りだけを見ることはありません。
重視しているのは、この会社はこれからも利益を生み、配当を維持・増やしていけそうか。ということです。
そのために数字を確認し、事業を調べ、スクリーニングします。
でも、それだけでは買いません。
納得できる価格になるまで待つこともあります。
そして、買った後も会社を見続けます。
だから私は、高配当個別株投資を「簡単に配当金がもらえる投資」だとは思っていません。
手間がかかりますし、向き不向きもあります。
だからこそ、インデックス投資でもいい。高配当ETFでもいい。個別の高配当・増配株を自分で探してもいい。
自分が理解でき、無理なく続けられる方法を選ぶことの方が、「どの投資法が一番優れているか」を決めることより大切なのではないか。
私は今、そう考えています。
そして私自身は、企業を調べ、買いたい価格を待ち、配当が少しずつ増えていく過程も含めて、高配当・増配株投資を続けています。
