40代・50代の人生の転機とお金|子どもの独立・親のこと・老後に備える

50代になり、子どもが独立すると、これまでとは違うお金のことを考えるようになりました。

長く続いた教育費など、子どものための大きな支出が一区切りする一方で、今度は自分自身の老後が少しずつ現実のものになってきます。
それと同時に、高齢になった親の暮らしやお金について考える機会も増えました。

人生の転機は、一つずつ順番にやってくるとは限りません。
いくつかの変化が、同じ時期に重なることもあります。

だから私は「これから何が起きるか」をすべて予測して備えるというより、何が起きても、自分で考えて動けるお金の土台を作っておくことが大切だと思っています。

この記事では、40代・50代から迎えることの多い人生の転機と、そのときに考えておきたいお金について、私自身の経験も交えながらまとめます。

それぞれのテーマについて詳しく書いた記事も紹介しているので、今の自分に近いところから読んでみてください。

目次

40代・50代は「お金の目的」が変わる時期

若い頃のお金の目的は、比較的わかりやすかったように思います。

例えば、家を持つ。教育費の準備する。
目の前に大きな目的があるので、そこに向かってお金を使ったり、貯めたりします。

ところが40代・50代になると、その形が少しずつ変わってきます。
子どもは大きくなり、やがて独立し、親は高齢になっていく。
自分自身の働き方や老後についても「いつかの話」ではなくなってきます。
これまで家族のために使ってきたお金を、これからはどうするのか。

私は50代になって「貯めること」だけではなく、「これから何のためにお金を持っておくのか」を考えることが大切になったと感じています。

① 子どもの独立|家計を「家族のため」から「自分のため」へ

子どもの独立は、家計にとって大きな転機です。

教育費や仕送りなど、子ども関連の支出が減ると、それまでより家計に余裕が生まれることがあります。

でも、その余裕をそのまま生活費に使ってしまうのか。
老後のために貯めるのか。投資に回すのか。
これからやりたいことに使うのか。
ここで一度、家計を組み直してみる価値があると思います。

私自身も、子どもが独立してからは「子どものためのお金」から「自分のこれからを支えるお金」へ意識が変わりました。
これは単に老後資金を増やすという意味ではありません。
自分の人生にお金をどう使うのかを、改めて考える時期でもあります。

② 夫婦・働き方・住まいの変化|自分で動かせるお金を持つ

人生は、必ずしも予定通りには進みません。
40代・50代になると、若い頃には想像していなかった選択をすることもあります。

そんなとき、私が大切だと思っているのが、自分のお金を自分で把握し、自分で動かせる状態にしておくことです。

私自身、自分名義の資産を持っていたことで、人生の選択を考えるときに「お金がないから動けない」という状態にならずに済みました。

お金があれば、何でも自由にできるわけではありませんが、「少し考える時間を持てる」という余裕につながることがあります。

私にとって、自分名義のお金は自分の人生の選択肢を守るためのお金でもあります。

夫婦のお金についても、家計を支えるお金と、それぞれが自分で管理するお金。
両方を持つことで、家計の安心と個人の安心を両立しやすくなります。

③ 親のこと|親を支えながら、自分の生活も守る

40代・50代になると、自分のお金だけではなく、親のお金について考える機会も増えてきます。

私自身も、高齢の母の暮らしについて考えることが増えました。
見守り。病院。住まい。介護。終活。相続。

一つひとつは別の問題に見えますが、実際にはお金とも深く関係しています。
ここで私が大切だと思っているのは、親を支えることと、子ども世代が親の費用をすべて背負うことは別だということです。

まず親自身のお金や利用できる制度を確認し、そのうえで家族に何ができるのかを考えるという順番が大切だと思っています。

もちろん、家庭によって事情は違います。
親自身に十分な資産がない場合もありますし、家族の支援が必要になることもあります。
だからこそ、困ってから初めて話すのではなく、親が元気なうちに少しずつ確認しておけると安心です。

「ひとりだちノート」では、高齢の母との実際の経験をもとに、見守りや介護、お金、終活についても書いています。

④ 自分の老後|「いくら必要?」の前に、まず見える化する

50代になると、「老後資金はいくら必要?」という言葉が急に現実味を帯びてきます。

2,000万円。3,000万円。
いろいろな数字を目にすると、不安になることもあります。
でも、私は「老後には○万円必要」という一つの数字に当てはめられないと思っています。
人によって、状況が違うからです。

私自身、老後のお金を考えるときには、「いくら投資すればいいか」より、まず自分の収入・支出・資産を見えるようにすることを大切にしています。

そのために役立つのが、キャッシュフロー表です。
今の資産。これからの収入。年金。生活費。大きな支出予定。
それらを並べてみると、「このままならどのくらい資産が持ちそうか」「どこを見直せばいいか」が少しずつ見えてきます。

漠然と「老後が不安」と考えるより、自分の数字を一度見る。
それだけでも、不安の正体がわかりやすくなると思います。

人生の転機に備えるなら、まず「お金を4つに分ける」

人生の変化すべてに、個別にお金を用意するのは難しいと思います。

だから私は、普段のお金そのものを役割で分けています。
現在は大きく、

  1. 毎月の生活費
  2. 生活防衛資金
  3. 予備費
  4. 投資資金

の4つです。大切なのは、これらを混ぜないことです。

毎日の生活に使うお金。
何か起きたときに暮らしを守るお金。
予定外の出費などに備えるお金。
そして、しばらく使わないから投資できるお金。

それぞれ役割が違います。
私は、投資に回せる金額を先に考えるのではなく、「生活のために、どのくらい残しておけば安心か」を先に考えます。

そのうえで、長く使う予定のないお金を投資に回しています。

生活防衛資金にも「全員共通の正解」はない

人生の転機に備えるうえで、生活防衛資金も大切です。
ただ私は、「生活費の○か月分あれば正解」とは考えていません。

働き方、家族構成、住居費、収入の安定性、持っている資産。人によって状況が違うからです。

私の場合は、家賃を含めた生活費の約1年半分を生活防衛資金として確保しています。
これは「1年半必要」という意味ではなく、今の私が、もし収入が変わっても、慌てずに次のことを考えられる期間として決めている金額です。

生活が変われば、必要な生活防衛資金も変わります。
大切なのは、一般的な数字に合わせることより、「自分はどのくらいあれば安心できるか」を考えることだと思っています。

人生の転機では「保険の役割」も変わる

お金の備えというと、保険も関係してきます。
でも、必要な保険も人生の段階によって変わります。

私は保険について、自分の貯蓄では抱えきれないほど大きなダメージに備えるものです。
公的保障でどこまでカバーされるのか。
自分の資産でどこまで負担できるのか。
それでも足りない部分があるのか。

必要な保険は、その順番で考えるようにしています。

すべての人生の変化を予測することはできない

どれだけ準備していても、人生で起こることをすべて予測することはできません。

私自身も、若い頃に思い描いていた通りに人生が進んできたわけではありません。
実際にその場面になって初めて考えたこともたくさんあります。

だから私は、「何が起きるかを当てるための準備」ではなく、「何が起きても考えられるようにしておく準備」をしておきたいと思っています。

そのために必要なのは、
自分のお金を把握すること。
生活に必要なお金を分けておくこと。
家計の固定費を知ること。
自分の収入や年金を確認すること。
親のお金について少しずつ話しておくこと。

一つひとつは小さなことです。
でも、それらが積み重なることで、人生が変わったときにも動きやすくなります。

今日からできる3つのこと

「これからのことを考えなければ」と思ったとき、まずは、次の3つから始めてみてください。

1.自分のお金の現在地を確認する

自分名義の預金や投資資産が、今どこにいくらあるのか確認します。
最初は大まかで大丈夫です。
「自分のお金を自分でわかっている状態」にすることが第一歩です。

2.暮らしを守るお金と、育てるお金を分ける

生活費や生活防衛資金まで投資に回さない。
すぐ使うお金と、長く使わないお金を分けます。
これだけでも、お金の役割がかなり見えやすくなります。

3.次に起こりそうな人生の変化を一つだけ考える

全部に備える必要はありません。
今一番気になっていることを一つ選びます。

親のことが気になるなら、親の年金や暮らしについて話してみる。
老後が気になるなら、ねんきん定期便や資産残高を確認する。
子どもが独立したなら、これから自分のために使えるお金を確認してみる。

「今の自分に一番近いこと」から始めれば十分です。

まとめ|お金は、人生の選択肢を守るためのもの

40代・50代になると、人生のいろいろな変化が重なってきます。

子どもの独立。夫婦や働き方の変化。高齢の親のこと。そして、自分自身の老後。
全部に完璧に備えることはできません。
私自身も、これから何が起きるのかはわかりません。

でも、自分のお金を把握している。暮らしを守るお金がある。必要なときに自分で動かせるお金がある。
それだけでも、人生の選択肢は少し増えると思っています。

40代・50代からのお金の準備は、老後のためだけではありません。
これからの人生を、自分で選んでいくための準備。
私はそんなふうに考えています。

この記事を書いた人

「ひとりだちノート」運営|元銀行員。
 
家計・資産づくり、親の見守りや暮らしのサポートを実体験から発信。
自分と親の「これから」を少し安心にするヒントをお届けします。

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